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夏目彰(山と道)×針谷周作(コトノハ) Reach to your own answer!

デザインをキーワードにさまざまな活動を行う「GAS BOOK」(現・ガスアズインターフェイス)を経て、2011年4月1日に「山と道」というアウトドアブランドを立ち上げた夏目彰さんとunsorted、コトノハの針谷周作が鎌倉・極楽寺にある山と道のオフィス兼工房で対談を行いました(iPadアプリ “salonmag4”に掲載されているコンテンツからの引用です)。

針谷:こんにちは。今日はお時間を作っていただき、どうもありがとうございます。夏目彰さんと言えば、『GAS BOOK』で有名ですが、GAS BOOK自体を知らない方もいると思いますので、まず最初に説明していただけますか?

夏目:GAS BOOKは96年の創刊号から、メディアの形態を変えながら僕が抜けた現在も続いていますが、当時、本屋は基本的には本という知識を買う場所であり、やはりそこに並んでいるのは本だけであって、その他のものはなかった。というのも、ちょうどGAS BOOKの創刊準備をしていた96年というのは、クラブカルチャーなどが盛り上がりはじめていた頃で、型にはまらない、いままでにはなかったアートであったり、デザインが自由に楽しめる時代になり始めていたんです。

針谷:96年と言えば、ちょうどインターネットが世間に広まった頃ですね。

夏目:そうですね。そういった「自由な楽しさ」を伝えていくために、本という形にしばられずに、CD-ROMとかDVDとか、最初はビデオテープだったんですが、Tシャツ、ポスターなど、グラフィックアートを味わえるものをひとつのパッケージにして販売していったんです。

針谷:夏目さんは元々、絵を描いていらっしゃいましたよね。最初は「アーティスト」「作り手」としての自分がいたのに、人の作品を紹介する「メディアを作る側」にまわったのはなぜですか?

夏目:当時、自分が絵を描いていて、絵を発表する場所にしろ、伝えていく場所にしろ、自分たちが「いい」と思える場がなかったんですね。だったら、自分たちが思う「かっこいいもの」というものはこういうものがあるよね、ということを伝えていくものがまずないと形になっていかないし、自分がいいと思うものが伝わっていかないので「メディアを作ろう」と思いました。
そして、自分たちが「かっこいい」と思えるものは、テキストとビジュアルだけでは伝わらない、だから、作品そのものを味わえるような、言葉を越えるようなメディアを作りたいと思いました。言葉を越えられれば、日本以外の国にも伝わっていくだろうなと思いました。

針谷:音楽のようなね。

夏目:そうですね、作品自体を味わえるようなメディア。

——— 夏目さんはどういう絵を描いていたんですか?

夏目:あの、実はあまり描いてなかったんですけれどもね(笑い)。ファッションイラストレーションで食って行きたいなと思ってたんですね。

針谷:メディアを作るということは、ある意味、自分が誰かを紹介するという立場にまわる訳ですよね。その転換で感じたことはありますか?

夏目:メディアを作ることがクリエイティブな時代だったから、何かものを作るっていう意味ではあまり変わりませんでした。初めは、僕もマクロメディアのDirectorというソフトウェアを使ってデザインをやったりもしていました。ただ、そのうちメディアというものをよくしていくということを考えていった時に、デザインを自分でやるのではなく専門の人に任せて、メディアを作る側である裏方に徹していったんですね。

——— GAS BOOKを11号まで出して以降、どのような展開をしていったんでしょうか?

夏目:ある程度、自分たちが伝えたいかっこいいと思っていたデザインが世界に認知されてきたかな、と思えるようになったんですけれども、今度は、それをより確実に伝えていこうということで、各アーティスト毎に作品集を作ったり、音楽のレーベルのように、本だったり、DVDや、Tシャツを作っていくという方向に変わりました。

針谷:仕事の内容も変わっていきましたよね。

夏目:どんどん裏方にまわっていくんですけれども、自分はやはりクリエイティブな現場が好きだなと思ったんですよ。レーベルを取りまとめてとか、何か決まった形式で出していくということに、面白みも感じてはいたんですけれども、正直、何か物足りなさも同時に感じていましたよね。

針谷:アーティストの意志が強く反映されると、メディアの作り手として、アーティストがやりたいことと、自分はこうしたいと思っていることとの間に乖離が生まれますよね。

夏目:そうですね。規模が大きくなってくると、新しい難しさというものが出てきますよね。

——— 針谷さんも『SALON』というメディアを作ってきましたよね。

針谷:GAS BOOKに比べたら全然弱小ですからね(笑い)。当時、GAS BOOKのことはもちろん知っていて、すごく面白いなと思っていました。僕は旅関係の本の編集をやっていたんですが、デザインにも興味があった。やはり、「これが雑誌なのか」というようなメディア、メディアの出し方、パッケージの仕方に興味を持っていたんです。
また、当時は、インディーズマガジンのブームもありましたよね。ですから、「自分で出す」ということが面白いという風潮もありました。僕は93年からComputer Soupという5人組の楽団をやっていて、そこで出会った人たちを集め、元々やっていた編集という仕事をつなげたいなと思ってできたのがSALONです。それが1999年のことで、創刊号は音楽CDとポストカードを組み合わせてシュリンクして出しました。

——— 流通の仕方も面白かったですね。

針谷:レーベルをやっている知り合いからテクノ/エレクトロニカのCDを流通するディストリビューターを紹介していただいて展開していったんです。音楽CDのディストリビューターだったので、創刊号にはA5版ほどのポストカード数十枚を雑誌として読んでもらい、そこに音楽CDを付けたんです。あとは、毎号、フォーマットを変えたのもこだわりです。やはりアーティストの言葉をきちんと伝えるには映像だろうと2号目はビデオでリリースしたり、3号目は本にDVDを付けたりと、やる度に新しいことにチャレンジしたいという気持ちが芽生えるので(笑い)、そうやってのらりくらりやってきました。

——— GAS BOOKの流通はどうしていたんですか?
(salonmag4に続く)



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