いわずもがな、ネットは表現者にとっても重要なフィールドである。作品を発表することはもちろん、意見を交わしたり、時には感情を放出したりできるメディアである。もちろんそこで重要なのは、インターネットという機能を使ったYouTubeやFacebookといったサービスの存在だ(人によるが)。しかしながら、いざ制作した作品をネット上で公開しようとするときに、知らず知らずのうちに数多くの制約を受けることになる。発信者は、アップロードしたと同時に、各サービスのこまごまとした規約に同意させられ、契約を結ばれる。
カルロ・ザンニは、イタリアとニューヨークを行き来するネットアーティストとして、2000年のはじめ頃から活躍してきた人物だ。彼のクリエイションは、一見、エンターテインメントのようなたたずまいを見せながら、現代のネット環境をベースに問題を提起するような作品を発表し続けている。かつて、2000年のはじめ、彼はネットアートで金を稼げるか、というテーマで、自分のサーバーに掲示板を設置し、世界中のキュレーターやライター、アーティストを招いてディスカッションを行ったことでも知られる。あの頃から、彼のフォーカスする問題は、ネットという環境から発生する。だから、今回のこの作品を見たとき、彼の一貫したスタンスを確認し、ほっとしながら閲覧することができたのだ。
ムービーの長さは約10分。ジョージ・オーウェルの『動物農場』をモチーフにしたというこの作品(毎回、主人公【カルロ・ザンニ】の帽子が変わっている)。ネットサービスのレギュレーションをユニークな文脈に変更したテクストが淡々とナレーションされつつ、映像は進行していく。環境がもたらす制約に、どう立ち向かっていくのか。自分を失わす、表現をするには? そんなことが読み取れる映像作品だ。
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